見落としがちな外壁塗装の目的

戸建て住宅をお持ちの方でしたら、「外壁塗装しておいたほうがいいですよ」とセールスマンなどからすすめられたことが、何度かあるかと思います。しかし、かかる金額が大きいために尻込みして、なかなか決断まで至らないのではありませんか。
あるいは、「しなくてもいい」と思っているのでは？

そもそも、外壁塗装の目的はなんでしょう。
多くの方は見た目の良さが頭に浮かぶかもしれませんが、それ以上に重要な目的があります。
今回は見落としがちな外壁塗装の必要性について、詳しく紹介していきたいと思います。
読み終わったころには、外壁塗装について真剣に考えるかもしれません。
知識の一つとして、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装はなんのために？

外壁塗装とは建物の外壁に塗料を塗り、防水性を高める身近なリフォームの一つです。
簡単にいうと、お家のメンテナンスですね。
そこから得られるメリットは大きく3つあり、どれもお家のためには知っておいて損はありません。

■建物の保護

ご存知のとおり、建物にはさまざまな脅威があります。
雨や雪、紫外線までもが建物を傷める原因になり、それらのダメージが蓄積すると、建物の劣化が進んでしまいます。
外壁塗装が必要とされているのは、そういった劣化を抑えるため、ひいては建物を保護するためです。

建物の防水性は永続的なものではなく、徐々に失われていってしまうもの。
防水性が低下すると、壁が雨などの水や湿気などを吸い込み、次第にもろくなってきてしまいます。浸透した水分が壁内の建材や断熱材にまで及べば雨漏りになってしまったり、基礎部分まで腐食が進んで改修工事が必要になってしまったりと、さらなるリスクが高まることに。
塗装工事は劣化が進んでしまった建物の、費用のかかる大きな工事を避けるためにも必要です。

・このようなケースも……
防水性の失われたモルタルの外壁にひびが入り、剥がれ落ちて下地が見える状態になってしまったというケース。
こちらも十分に深刻ですが、この剥がれたモルタルが頭の上に落ちてくる物理的な危険もあります。ここまできてしまうと、補修どころでは済まないでしょう。
とくに台風や地震などの災害に見舞われた際は、外壁が大きく剥がれしまい、数日間ビニールシートで覆いながら安心には程遠い生活を送ることになります。防水性が低下して弱くなった家というのは、災害に弱くなるのとイコールです。
また、雨水が屋内に浸入することでカビが発生し、喘息やアレルギー症状を引き起こす要因にもなります。
このような事態が起こる前に塗装工事を行うことが、建物を長く守れるほかに、経済的な節約につながる唯一の方法です。

■資産的価値を上げる

防水効果を上げると得られるメリットはほかにもあります。
塗装工事を行うことで建物を長く保つことにつながり、長い目で見れば資産的な価値がアップする結果に。
もし、今住んでいる建物を将来的に売却する予定なら、外壁塗装をしているか否かで価格評価が大きく変わります。また売却後に起こるトラブルに対して、心配することがありません。
適切なメンテナンスを怠らないことが、ポイントとなるでしょう。

■見た目をキレイにする

外壁塗装が必要とされるタイミングは約10年とされています。
厳密にいうと、これは外壁材メーカーの発表している寿命ではなく、外壁そのものの防水性がなくなる時期を指しています。前回塗装工事をした方であれば、使用した塗料の耐用年数が切れるタイミングが塗り替えの時期です。
その期間風雨にさらされた外壁を見れば、ホコリで薄汚れていたり、塗膜がはがれていたりと、見た目が悪くなっているかと思います。
そのような見た目を新築時のような清潔さや美しさ、新しい色にできるのが、もう一つの大きなメリットです。

・防犯面に効果あり？
この見た目の良さは、防犯面でも恩恵があります。
割れ窓理論というものをご存知でしょうか。
建物の窓が割れていたり落書きがあったりしても、そのまま放置されていれば、「ここは汚いから、さらに汚くしてもかまわないだろう」とさらに別の人が窓を壊し、犯罪の温床になるという負のスパイラルが起こる現象です。
もう少し日常的なものでいえば、ゴミがあふれているゴミ箱でも「別にいいや」と捨てたことがあるのではないでしょうか。そういったものも割れ窓理論にあてはまります。

日本は世界でもトップクラスに安全な国ですが、住宅への侵入盗は2021年で全国1万7,283件（出典元：e-Stat「令和3年1～12月犯罪統計【確定値】」より）という決して少なくない件数が。
手入れのされていない建物は標的にされるリスクがあるため、新築時と比べて見劣りしていましたら、外壁塗装を検討して欲しいと思います。
また、現在の塗料は汚れにくくする機能があるため、長く美しい外観を保つことが期待できるでしょう。